Blu-ray Disc 輸入盤

『神々の黄昏』全曲 チェルニャコフ演出、ティーレマン&ベルリン国立歌劇場、A.シャーガー、カンペ、他(2022 ステレオ)(日本語字幕付)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
810504
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
Blu-ray Disc
その他
:
輸入盤

商品説明


ワーグナーの壮大な物語が完結!
バレンボイムの代役として指揮台に立ったティーレマンによる『リング』!
最終章第3夜『神々の黄昏』


2022/23シーズンは、ダニエル・バレンボイムがベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任して30年という記念すべき年でした。様々な企画が打ち出される中、もっとも注目されていたのはディミトリ・チェルニャコフ新演出による『ニーベルングの指環』。4夜連続上演をシーズン中に4回行う予定でしたが、バレンボイムが体調を崩してしまったため、3回をクリスティアーン・ティーレマンが、もう1回をバレンボイムの弟子でドイツの若手指揮者トーマス・グガイスが務めることになりました。ティーレマンはその後、2024年9月よりバレンボイムの後任としてベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任することが決まっています。
 そして今回「C major」レーベルよりティーレマン指揮による4部作が映像商品としてリリースされます。これまで『ラインの黄金』『ワルキューレ』『ジークフリート』と続いてきた『リング』は『神々の黄昏』で完結します。この最終章では、ジークフリートの死とブリュンヒルデの最終的な決断が、神々の終焉を決定づけるさまを描いています。上演時間も正味で4時間半という類を見ない大規模な作品であり、これはワーグナーが描く世界の転換点となり、新たな時代の幕開けを象徴していると言えるでしょう。
 本上演は、ディミトリ・チェルニャコフの読み替え演出となっており、ヴォータンが所長を務める極秘研究室「ESCHE」(ドイツ語で世界樹トネリコの意)を舞台とし、研究所の研究員は神々、そして実験体となるのは人間、巨人という設定。4部作に渡って、神々(研究員)が人間や巨人(被験者)に実験を繰り返す様子が描かれています。そして全体を力強く牽引するヴォータン、ブリュンヒルデ、ジークフリート役に、それぞれ現代最高の歌手として評価の高い、ミヒャエル・フォッレ、アニヤ・カンペ、アンドレアス・シャーガーを配することに成功しており、この3人がベストの歌唱を繰り広げています。(輸入元情報)

【収録情報】
● ワーグナー:『神々の黄昏』全曲

 アンドレアス・シャーガー
(ジークフリート)
 アニヤ・カンペ(ブリュンヒルデ)
 ミカ・カレス(ハーゲン)
 ラウリ・ヴァサール(グンター)
 ヨハネス・マルタン・クレンツレ(アルベリヒ)
 マンディ・フレドリヒ(グートルーネ)
 ヴィオレータ・ウルマーナ(ヴァルトラウテ)、他
 ベルリン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 クリスティアーン・ティーレマン
(指揮)

 演出:ディミトリ・チェルニャコフ
 衣裳:エレナ・ザイツェワ
 照明:グレープ・フィルシュティンスキー
 映像デザイナー:アレクセイ・ポルボヤリノフ
 ドラマティック・アドヴァイザー:タチアナ・ヴェレシャーギナ、クリストフ・ラン

 収録時期:2022年10月
 収録場所:ベルリン国立歌劇場(ライヴ)
 映像監督:アンディ・ゾマー

 収録時間:285分
 画面:カラー、16:9、1080i
 音声:PCMステレオ、DTS-HD MA 5.1
 字幕:独(歌唱言語)、英、仏、伊、西、韓、日
 日本語字幕:広瀬大介
 BD50
 Region All

 ブルーレイディスク対応機器で再生できます。

ユーザーレビュー

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演出のつまらなさについては『ワルキューレ...

投稿日:2025/01/04 (土)

演出のつまらなさについては『ワルキューレ』のところであれこれ述べたので、繰り返さない。「ラインへの旅」「葬送行進曲」「フィナーレ」といったオーケストラだけの名場面ではクプファー、コンヴィチュニー、ヘアハイムなど過去の演出を参照した(パクった)と思しきアイデアもあるが、前年に同じベルリンで四部作通しのプレミエが行われたヘアハイム演出と比べると、絶望的なほど見せ方が下手だ。しかし、本作にはストーリーの根幹に関わる読み替えがあり、私は諸手を上げて賛同はしないものの、音楽は圧倒的に素晴らしい『黄昏』も台本は欠陥品であるという事実を改めて思い起こさせてくれた。「怪我の功名」とも言うべきその成果だけは評価しよう。 チェルニャコフ版の読み替えは以下の通り。第1幕、「忘れ薬」という台詞は台本通り、ちゃんと歌われているが、誰かが飲み物に薬を入れるという演技はなく、そもそもジークフリートは飲み物に口をつけていない。第3幕の「記憶回復薬」についても全く同じ。すなわち、この英雄は薬を盛られたわけではないのに、あっさりとグートルーネに心変わりしてしまったのだ。さらに第1幕終わり、グンターに変装した(この演出では見た目、何も変わっていない)ジークフリートはブリュンヒルデを「凌辱」したことが暗示される。前述の通り、私はこの読み替えが成功したとは思わない。けれども、演出の設定では研究施設内で純粋培養された社会性のない人間だとしても、英雄の評価を間違いなく大きく下げる、このような読み替えを演出家が敢行せざるをえなかった理由は、私にはとても良く分かる。 元の台本には明らかにまずい箇所が二つあるからだ。まず第一。前作『ジークフリート』ではミーメの用意した毒の飲み物を飲まなかったジークフリート、どうしてかくも不用意にハーゲンの策にかかって、忘れ薬を飲まされてしまうのか。あまりにもマヌケであり、以後の展開は茶番になってしまう。第二。こちらの方が遥かに問題だが、ブリュンヒルデはなぜ宿敵ハーゲンに夫の弱点を教えるという愚行に走ってしまうのか。夫の言動がおかしいことは、とっくに分かっているはず。なのに、その原因を探ろうともせず、自分の屈辱をぬぐうために「殺してしまえ」という結論にどうして短絡してしまうかな。そもそもこの夫婦の「愛」なんて、こんな程度のものだったのか。これでは「自己犠牲」でどんなにジークフリートの愛を讃えても、後の祭りだ。中世ドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』では、確かにジークフリートは隠れ頭巾で変装して、グンターの代わりにブリュンヒルデを手に入れてやるが、彼とブリュンヒルデとの間には恋愛関係も婚姻関係もない。だから後に変装がばれた時、ブリュンヒルデに憎まれるのは当然だ。ワーグナーのオペラにおける不具合は、『エッダ』に代表される北欧神話の神々たちの物語と『ニーベルンゲンの歌』を接合したせいだが、『トリスタン』の台本では、大昔の叙事詩を現代人をも納得させる不倫物語に作り替えてみせた彼が、『黄昏』に限っては欠陥台本にそのまま作曲してしまったのは、残念と言うほかない。 さて、ティーレマンの指揮はますます好調。本作の特徴であるオーケストラだけの部分もきわめてハイテンションだ。ルイージやジョルダンのようなポリフォニックな見通しの良さ、対位声部への目配りは望めないが、それは仕方ない。特にオペラティックな感興の高まる第2幕の修羅場はとびきりの大迫力。歌手陣では、何と言ってもシャーガーとカンペ。シャーガーは演技も上手く、チェルニャコフ版ではとりわけ強調される子供っぽさ、男という生き物の「業」の表現も完璧だ。カンペも技術的にはほんの少し、危うい瞬間があるとしても、堂々たるヒロインぶり。最終場面ではヴォータンも登場するのに、ストーリーのもうひとつの主軸、彼女が最後に父ヴォータンの望みをかなえてやる、つまり父を殺すというテーマが無視されてしまったのは無念だが、もちろんこれは演出家の責任。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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