テレマンの多彩な音楽を超絶技巧で演奏!
テレマン:リコーダー室内楽曲集(2CD)
エーリク・ボスフラーフ(リコーダー、指揮)、アンサンブル・コルデヴェント
超絶技巧と大胆な表現で知られるオランダのリコーダー奏者、エーリク・ボスフラーフ(ボスグラーフ)は、2006年に「アンサンブル・コルデヴェント」を設立し、協奏曲や室内楽で緊密な演奏がおこなえる環境を確保。このテレマン・セッションには計18名が参加し、3声から7声まで変化に富む音楽の流れを作り出しています。
2枚組で163分収録された大容量なアルバムで、トリオ・ソナタを中心に、協奏曲、四重奏曲など収録。「忠実な音楽の師」からの組曲では、ソクラテスの妻クサンティッペなど女性の名前が各曲に付けられているのも面白いところです。
ブックレット(英語&ドイツ語・20ページ)には、にボスフラーフよる解説が掲載。
Brilliant Classics ・
Piano Classics ・
Berlin Classics ・
Neue Meister
作曲者情報
ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681-1767)
バロック期のドイツで最大の人気を誇った作曲家、テレマンの音楽の明快さは、その実生活の多彩をきわめた華やかさと密接に関わっているとはよく指摘されるところです。
テレマンは12歳でオペラを作曲するほどの早熟な天才でしたが、ライプツィヒ大学では法学を学び、同時に聖トマス教会では礼拝用の音楽も作曲、さらにはオペラの作曲もおこない、学内ではオケを組織し、新教会のオルガニスト兼音楽監督に就任するなど、キャリアの最初から実に多面的な活躍ぶりでした。
さらにテレマンは、通常もちいられる楽器のほとんどすべてを演奏することができたというほどのマルチ・プレーヤーでもあり、特に木管楽器については名人級の腕前だったことはよく知られるところです。
テレマンは、23歳のときにはプロムニッツ伯爵の宮廷楽長に就任し、伯爵の好みでもあるフランス風な管弦楽組曲を数多く作曲、伯爵の避暑地ではポーランド系の民俗音楽やジプシー音楽に接して大いに刺激を受けます。
27歳の時にはアイゼナハの宮廷楽長に赴任し、宮廷礼拝堂楽団を組織、カンタータ・チクルスなどで君主の厚遇を得ますが、31歳の年にはこうした宮廷生活に別れを告げ、帝国自由都市フランクフルト・アム・マインの教会の楽長に就任。
さらに9年後、40歳の年には、終生の活動の地となるハンザ自由都市ハンブルクに移って、その後46年間に渡って、都市音楽監督兼ヨハネスカントルとして、オペラに公開コンサート、教会音楽や自作の出版にと縦横無尽に活躍したということです。
つまりテレマンの創作の背景にあったのは、当初は宮廷であり、やがてそれが市民社会に置き換えられてゆくということですが、そうした市民社会の豊かな音楽環境があればこそ、「ターフェルムジーク」や「忠実な音楽の師」のような画期的な作品も登場したのでしょう。
作風も変化しています。宮廷では対位法やフランス趣味を意識していたテレマンも、市民社会に出てからはさまざまな演奏環境に対応すべくより自由な音楽を志向するようになっています。
演奏者情報
エーリク・ボスフラーフ (リコーダー)
1980年、オランダのドラハテンで誕生。2006年にユトレヒト大学で音楽学修士号を取得。2007年、音楽学者ティーモ・ヴィントの監督の下、オランダ人作曲家ファン・エイク(1589-1657)の作品集をCD3枚組でリリースしたところ、25,000枚以上の売上を記録。世界有数のリコーダー奏者と認められ、約100曲が彼のために作曲され、その中には20曲の協奏曲もありました。バロック音楽のCD録音のほとんどは、2006年に結成した「アンサンブル・コルデヴェント」とおこなったものです。
163'48
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
アンサンブル・コルデヴェント
トラックリスト (収録作品と演奏者)
CD1 87'03
ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681–1767)
7声の協奏曲イ短調 TWV 44:42 (2つのリコーダー、2つのオーボエ、2つのヴァイオリン、通奏低音のための) 07'20
1. アダージョ 1'20
2. アレグロ 2'02
3. アッフェットゥオーゾ 1'55
4. アレグロ 2'03
「ターフェルムジーク」第2部〜四重奏曲ニ短調 TWV 43:d1 (リコーダー、2つのトラヴェルソ、通奏低音のための) 15'03
5. アンダンテ 3'09
6. ヴィヴァーチェ 4'05
7. ラルゴ 3'15
8. アレグロ 4'34
トリオ・ソナタ ヘ長調 TWV 42:F7 (2つのリコーダーと通奏低音のための) 07'06
9. アッフェットゥオーゾ 2'05
10. アレグロ 1'41
11. アダージョ 1'39
12. ヴィヴァーチェ 1'41
「音楽練習帳」〜トリオ・ソナタ ハ短調 TWV 42:c2 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 10'18
13. ラルゴ 2'39
14. ヴィヴァーチェ 2'41
15. アンダンテ 1'51
16. アレグロ 3'07
室内協奏曲ト短調 TWV 43:g3 (リコーダー、2つのヴァイオリン、通奏低音のための) 17'13
17. (アレグロ) 5'06
18. シチリアーナ 6'51
19. ブーレ 0'58
20 メヌエット - トリオ - メヌエット・ダ・カーポ 4'18
四重奏曲ト長調 TWV 43:G6 (リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のための) 07'29
21. アレグロ 2'32
22. グラーヴェ 2'17
23. アレグロ 2'40
トリオ・ソナタ ト短調 TWV 42:e8(移調) (2つのリコーダーと通奏低音のための) 05'43
24. アッフェットゥオーゾ 1'24
25. ヴィヴァーチェ 1'35
26. アンダンテ 1'20
27. プレスト 1'24
トリオ・ソナタ イ短調 TWV 42:a6 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 08'40
28. ラルゴ 2'20
29. アレグロ 1'30
30. カンタービレ 2'02
31. アレグロ 2'48
トリオ・ソナタ(協奏曲)ヘ長調 TWV 42:F14 (リコーダー、ホルン、通奏低音のための) 07'19
32. ヴィヴァーチェ 2'14
33. ルール 2'22
34. テンポ・ディ・メヌエット 2'43
CD2 76'45
ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681–1767)
7声の協奏曲ヘ長調 TWV 44:41 (2つのリコーダー、2つのオーボエ、2つのヴァイオリンと通奏低音のための) 07'31
1. グラーヴェ 2'19
2. ヴィヴァーチェ 2'04
3. アダージョ 0'43
4. アレグロ 2'25
四重奏曲 ト短調 TWV 43:g4 (リコーダー、ヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための) 08'31
5. アレグロ 2'24
6. アダージョ 2'06
7. アレグロ 4'01
トリオ・ソナタ ハ短調 TWV 42:c7 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 06'38
8. アダージョ 2'26
9. アレグロ 1'30
10. アダージョ 1'05
11. アレグロ 1'37
四重奏曲(協奏曲)イ短調 TWV 43:a3 (リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音のための) 10'51
12. アダージョ 3'07
13. アレグロ 1'48
14. アダージョ 1'42
15. ヴィヴァーチェ 4'14
トリオ・ソナタ ホ短調 TWV 42:e6 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 08'09
16. アッフェットゥオーゾ 2'26
17. アレグロ 2'04
18. グラーヴェ 1'41
19. アレグロ 1'58
「忠実な音楽の師」〜序奏と3声の組曲ハ長調 TWV 42:C1 (2つのリコーダーと通奏低音のための) 13'10
序奏
20. グラーヴェ - ヴィヴァーチェ 2'11
21. アンダンテ 1'27
22. ヴィヴァーチェ(ダ・カーポ) 1'21
組曲
23. クサンティッペ 1'42
24. ルクレティア.ラルゴ 2'17
25. コリンナ 0'45
26. クレリア.スピリトゥオーゾ 1'23
27. ディド.トリステ - ディスペラート 2'04
トリオ・ソナタ ヘ長調 TWV 42:F9 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 06'46
28. アレグロ 2'00
29. アッフェットゥオーゾ 2'13
30. プレスト 2'33
「音楽練習帳」〜トリオ・ソナタ 変ロ長調 TWV 42:B4 (リコーダー、オブリガート・チェンバロと通奏低音のための) 07'59
31. ドルチェ 2'04
32. ヴィヴァーチェ 1'35
33. シチリアーナ 2'39
34. ヴィヴァーチェ 1'41
トリオ・ソナタ ヘ長調 TWV 42:F15 (リコーダー、オーボエ、通奏低音のための) 06'30
35. ラルゴ 1'34
36. アレグロ 1'45
37. ラルゴ 1'21
38. アレグロ 1'50
エーリク・ボスフラーフ(リコーダー、指揮)
アンサンブル・コルデヴェント
録音:2022年7月13〜16日(トリオ・ソナタ)、2023年10月9〜13日(他の作品)、オランダ王国、ブルフム、十字架教会。
Track list
Georg Philipp Telemann 1681–1767
Chamber Music with Recorder
Trio Sonatas · Quartets · Concertos à 7 Including all trio sonatas for recorder and oboe
CD1 87'03
Concerto à 7 in A minor TWV 44:42
for two recorders, two oboes, two violins and basso continuo
1 Adagio 1'20
2 Allegro 2'02
3 Affettuoso 1'55
4 Allegro 2'03
Quartet in D minor TWV 43:d1
for recorder, two transverse flutes and basso continuo
from Musique de table, Vol. II (1733)
5 Andante 3'09
6 Vivace 4'05
7 Largo 3'15
8 Allegro 4'34
Trio Sonata in F major TWV 42:F7
for two recorders and basso continuo
9 Affettuoso 2'05
10 Allegro 1'41
11 Adagio 1'39
12 Vivace 1'41
Trio Sonata in C minor TWV 42:c2
for recorder, oboe and basso continuo
from Essercizii musici (1739/40)
13 Largo 2'39
14 Vivace 2'41
15 Andante 1'51
16 Allegro 3'07
Concerto di camera in G minor
TWV 43:g3
for recorder, two violins and basso continuo
17 (Allegro) 5'06
18 Siciliana 6'51
19 Bourrée 0'58
20 Menuet – Trio – Menuet da capo 4'18
Quartet in G major TWV 43:G6
for recorder, oboe, violin and
basso continuo
21 Allegro 2'32
22 Grave 2'17
23 Allegro 2'40
Trio Sonata in G minor TWV 42:e8 (transposed)
for two recorders and basso continuo
24 Affettuoso 1'24
25 Vivace 1'35
26 Andante 1'20
27 Presto 1'24
Trio Sonata in A minor TWV 42:a6
for recorder, oboe and basso continuo
28 Largo 2'20
29 Allegro 1'30
30 Cantabile 2'02
31 Allegro 2'48
Trio Sonata (‘Concerto') in F major TWV 42:F14
for recorder, horn and basso continuo
32 Vivace 2'14
33 Loure 2'22
34 Tempo di Menuet 2'43
CD2 76'45
Concerto à 7 in F major TWV 44:41
for two recorders, two oboes,
two violins and basso continuo
1 Grave 2'19
2 Vivace 2'04
3 Adagio 0'43
4 Allegro 2'25
Quartet in G minor TWV 43:g4
for recorder, violin, viola and
basso continuo
5 Allegro 2'24
6 Adagio 2'06
7 Allegro 4'01
Trio Sonata in C minor TWV 42:c7
for recorder, oboe and basso continuo
8 Adagio 2'26
9 Allegro 1'30
10 Adagio 1'05
11 Allegro 1'37
Quartet (‘Concerto') in A minor
TWV 43:a3
for recorder, oboe, violin and basso continuo
12 Adagio 3'07
13 Allegro 1'48
14 Adagio 1'42
15 Vivace 4'14
Trio Sonata in E minor TWV 42:e6
for recorder, oboe and basso continuo
16 Affettuoso 2'26
17 Allegro 2'04
18 Grave 1'41
19 Allegro 1'58
Introduzzione & Suite à 3 in C major TWV 42:C1
for two recorders and basso continuo
from Der getreue Music-Meister (1728)
20 Grave – Vivace 2'11
21 Andante 1'27
22 Vivace (da capo) 1'21
Suite:
23 Xantippe 1'42
24 Lucretia. Largo 2'17
25 Corinna 0'45
26 Clelia. Spirituoso 1'23
27 Dido. Triste – Disperato 2'04
Trio Sonata in F major TWV 42:F9
for recorder, oboe and basso continuo
28 Allegro 2'00
29 Affettuoso 2'13
30 Presto 2'33
Trio Sonata in B-flat major TWV 42:B4
for recorder, obligato harpsichord and basso continuo
from Essercizii musici (1739/40)
31 Dolce 2'04
32 Vivace 1'35
33 Siciliana 2'39
34 Vivace 1'41
Trio Sonata in F major TWV 42:F15
for recorder, oboe and basso continuo
35 Largo 1'34
36 Allegro 1'45
37 Largo 1'21
38 Allegro 1'50
Erik Bosgraaf recorder & direction
Ensemble Cordevento
Trio Sonatas with Oboe:
Rodrigo López Paz oboe · Heidi Peltoniemi violoncello
Marije van der Ende bassoon · Alessandro Pianu harpsichord
Other Works:
Recorder 2: David Hanke (TWV 42:F7, e8, C1) · Wei Hung (TWV 44:42, 41)
Traverso: Aysha Willis · David Newcombe
Oboe: Nele Vertommen · Stefaan Verdegem (TWV 44:42, 41)
Horn: Renske Wijma
Violin: Tomoe Badiarova
Violin 2 & viola: Ivan Iliev
Violoncello: Evan Buttar
Bassoon: Takako Kunugi (TWV 44:42, 41)
Violone: Maggie Urquhart (TWV 43:a3; TWV 44:42, 41)
Harpsichord: Alessandro Pianu
Lute: Israel Golani (TWV 42:B4; TWV 43:d1)
Recording: 13–16 July 2022 (trio sonatas with oboe), 9–13 October 2023
(Other works), Kruiskerk, Burgum, The Netherlands